オリーブオイル市場Blog

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カテゴリ:Lavoro 仕事( 4 )


2018年 02月 26日

オリーブオイルを仕事にする④「共生における生産者とインポーターの役割」

こんにちは。
オリーブオイル市場の松村です。

前回のUPからずいぶんと時間が経ってしまいました。

1月2月は、一年間の新物オイルの注文計画や輸入の段取りで時間が取れなかったのですが、それも少し落ち着いたので、「オリーブオイルを仕事にする」をまた書き始めたいと思います。

今回は、「共生における生産者とインポーターの役割」について書きたいと思います。

共生とは、生産者とインポーターが一つの会社のように活動するイメージですので、役割はこのような感じです。

・生産者→ 製造部(商品開発)
・インポーター→ 営業部&マネジメント(販売戦略、生産者や賞品ブランディング、市場調査など)

生産者は、今のまま生産してもらう役割です。品質向上に集中してもらいます。
インポーターは、それ以外のこと全てをするイメージです。

僕の経験では、多くの小規模なオリーブオイル生産者は、オイルへの情熱はあるものの、自分のオイル本来の価値や強み弱み、他地域との違いを十分に理解しきれていない方が多いように思います。それは仕方のないことで、生産者は本業の傍らでオリーブ農業もしていて、高品質を作ろうとすればするほど手間がかかりますので、マーケティングの勉強や世界のオイルに目をむける時間はあまりないのです。

品質を上げることは出来ても、商品の出口に困っている生産者が多いのはこのためと思います。

一方で、インポーターにはオイルに関する様々な情報が集まってきます。消費者の嗜好、市場動向の変化、国ごとのオイルの特徴など。消費者にも生産者にも一番近いポジションにいるので、マーケットの最新動向を常に敏感に感じ取ることができます。

インポーターは、生産者がなかなか把握できないこの部分を補うのです。製造コストの考慮から始まり、販売ターゲットの策定、デザイン、販売価格、オイル業界のどのポジションを目指すのかなど販売に関するトータルをサポートするということです。

生産者とは、常に情報を共有し、一緒に自分たちのオリーブオイルの評価を上げるためのトライ&エラーを繰り返していくことが大切と思います。

共生のためのお互いの役割は、簡単にいうとこのような感じです。

どの業界でも仕事をする上で、今書いたようなことは当たり前のことですが、国と文化が違う人とこれをやろうとするのは、なかなかしんどいことが多くて、正直うんざりする事も沢山あります。でも焦らずにお互いを尊重しながら、じっくりと粘り強くやることが重要だと思うのです。

オイルビジネスのやり方は色々ありますが、共生というやり方は、小さなインポーターだからこそできる大手にも負けないやり方と思います。

ちなみにこのやり方をして業績を着実に上げている小さなインポーターさんがいます。皆さんとても良い仕事をされていて、もう何年にも渡ってご活躍されています。僕も彼らのファンで、いつも刺激をもらっています。

次回は、「共生のメリット」について書こうと思っています。


余談ですが、僕のお取引先で京都のリストランテ ナカモトさんがいます。そこでは様々なプロフェッショナルの方を講師に迎えて、料理人仲間と毎月のように勉強会を開催されています。僕も昨年、講師としてオリーブオイルのことをお話しする機会を頂いたのですが、皆さんの熱心さに圧倒されました。みんなでレベルアップしようとする試みって、本当いいなぁと羨ましくなりました。

オリーブオイルの業界って、テイスティングをみんなでする勉強会はあると思うのですが、オイルビジネス的な勉強会は少ないように思うのです。僕が知らないだけかもしれないのですが。

オリーブオイル業界の発展のために、そんな勉強会を定期的に開催できないかなぁと最近思っています。

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by primolio | 2018-02-26 18:23 | Lavoro 仕事
2017年 12月 16日

オリーブオイルを仕事にする③「生産者との共生」

オリーブオイル市場の松村です。

さて今回は、「生産者との共生」です。

僕がオリーブオイルを仕事にするに当たり、とても大切に考えていることです。これは僕のような小さなインポーター(販売者)だからこそ出来ることと思います。

僕は共生をこのように考えています。
「生産者とインポーター(販売者)は、一つの会社やチームのように情報を共有して、お互いの強みを活かしながら、生産から商品化・販売までの一連の流れを共に考え創っていくこと」。

簡単に言うと、「生産者とインポーター(販売者)は、一つの家族。運命共同体。」ということです。ちょっと極論かもしれませんが、僕は、そういう気持ちで生産者とお付き合いしています。

僕が生産者との共生の必要性を深く考えるようになったきっかけがあります。
イタリアでの商談会で初対面の生産者から言われた言葉です。

「日本のインポーターは、すぐ取引をやめる。なぜだ?」
「コンテストで受賞しない年は、取引を切られる。都合が良すぎるだろ。どうせ君もそうするんだろ?」
「お前らは気楽でいいな。売れなかったらまた他のオイルを探せばいいんだから。」など

生産者には、日本のインポーターに不信感がある方が沢山いることを知りました。僕はインポーターの1人としてショックとともに、そういうビジネスをしている人・会社に憤りを覚えました。

確かにビジネスである以上、信頼関係の構築に時間をかけるより、消費者に分かり易く売れそうなオイルだけを見つけ出し、売れなければ即取引終了というドライにやる方法もあると思うのです。

でも僕は、インポーターは生産者がいてくれて、初めて仕事として成り立つ訳で、いくらでも代わりの生産者やオイルがあるからと、身勝手にオイルを取っ替え引っ替えして良い訳ではないと思うのです。

消費者に納得して購入してもらえるようになるには、それなりの努力と時間が必要だと思います。


この一件以降、僕は、「自分だから出来るインポーターとしての仕事って何だろう?」と考えるようになりました。

僕は、27歳の頃一年間イタリアに料理留学していたことがありました。その時に本物のオリーブオイルに出会い、辛いとき苦しい時に沢山のイタリア人やその関係者が親身になって僕を助けてくれました。おかげで僕はかけがえのない経験を沢山することが出来ました。留学生活を終える時、「いつか僕が成長したら、イタリアに僕なりの恩返しをしたい」と思って帰国しました。

それを思い出し、あの時に僕を受け入れてくれたイタリアがあるから、今の僕がある。微力かもしれないけど、今度は僕がイタリアのため生産者のために、力になろうと思ったのです。

そこで行き着いた答えが、「生産者との共生」でした。
良い時も悪い時も、一緒に考えて共に歩んでいこうと思ったのです。これが、僕だからできるインポーターの仕事だと。

僕は、「インポーターとは、オイル業界の全体の中で日本にオリーブオイルを運び、生産者の思いを本人に代わって紹介するという重要な役割を託された人」だと思っています。

オリーブオイルの本質的な魅力、美味しさ、面白さを広めるということは、品質の善し悪しだけのことではなく、その生産者のストーリーも紹介することだと思うのです。

今の時代、消費者は商品そのものだけではなく、その背景にあるストーリーにも共感して、価値を見いだしてくれる時代になりました。

生産者とインポーターが、良い年も悪い年もお互いに努力と協力をし合いコツコツと信頼関係を築いていけば、今よりももっと品質の良いオイルを作ることが出来ます。私達の信頼関係やより良いものを届けたいという思いはきっとお客様に伝わると思うのです。

事実、僕の会社がこの8年間着実に業績を伸ばして来られたのは、生産者との共生に気付けたおかげと思っています。

僕のような小さなインポーターが行う生産者との共生は、微々たる活動かも知れませんが、この積み重ねがオイル業界の本質的な発展に繋がっていくと信じています。


今回は僕の考えしか書けなかったので、次回は共生のためのもっと具体的なイメージ(役割など)を書きたいと思います。
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by primolio | 2017-12-16 18:37 | Lavoro 仕事
2017年 11月 30日

オリーブオイルを仕事にする②「オリーブオイル業界の本質的な発展とは?」

資本の大きさに関わらずこの業界に関わる人には、とても重要なテーマと思っています。

僕は、このように考えています。
「輸入者や販売者は、確かな目利きと知識の責任の上で、販売ターゲットや価格帯のカテゴリー毎に、最適な品質と価格のバランスの取れたオイルを一過性ではなく継続して流通させ、その利益は消費者と流通者(輸入者・販売者)のためだけではなく、生産者の地位と経済力の向上、持続可能なオリーブ農業の実現のために還元されている状態」と考えています。

わかりづらいですね。
簡単に言い換えると、「輸入者や販売者は、しっかりとオイルの全般的な知識を身につけて、自分の都合や利益だけを考えずに、消費者のことはもちろんですが、特に生産者のことをしっかりと考えて継続してオイルを販売していくことが、この業界の発展につながっていく。」とこんな感じです。

もっと簡単に言うと、「確かな品質のものを、継続して沢山売る」の一言です。

「沢山売る」と言うと、随分とギラギラと商売商売しているねと思う方もいると思いますが、これにはきれい事では済まされない生産現場の現状があるからです。

僕はこの8年間で、もう数えきれないほどのイタリアの生産者に会ってきました。おそらく1000軒以上会ったと思います。その現場では、本当に生活に困っている生産者が涙ながらに買ってくれと訴えて来たり、世界的に有名なトップ生産者にもうやっていけないから農園を買ってくれないか?と相談されたこともありました。

実は、ほとんどのオリーブオイル生産者は、全く食べていけていないのです。

日本ではオリーブオイルをオシャレアイテムのように扱うことが多々ありますが、生産現場ではオシャレとか言ってる場合ではなく、いくらコストをかけて素晴らしいオイルを作っても、偽装オイルの世界的な流通、バイヤーや消費者の品質への認識不足などの様々な問題からオイルの流通価格は上がることはなく、その結果生産者は生産をやめる、又は離農を考えるしか方法がないということが起こっているのが現状です。生活のために、偽装オイルに手を染める生産者もいます。

ごく一部の大企業や貴族の農園などを除き、ほとんどの生産者は本業を持っています。オリーブオイル生産は副業です。先祖から受け継いだ畑や文化を残したいと思う情熱だけでやっている所がほとんどです。

このような現状を沢山見てきて僕は、輸入者(販売者)だからこそ出来ることがあるのではと考えるようになりました。

それで出た答えが、一番初めに書いた「オリーブオイル業界の本質的な発展とは」です。

本質的な発展とは、オリーブオイルに関わるすべての人が幸せになることと思います。

このことをよく理解している会社や関係者は、今後ますます消費者や生産者からも必要とされると思います。

次回からは、継続して販売するために必要な情報を一つずつ書いていこうと思います。


余談ですが、僕は生産現場を知れば知るほど、気安く新規の生産者と取引が出来なくなった部分があります。大げさかもしれないのですが、生産者にとってオイルとは自分の子供のようなものであって、それを僕のような海外の輸入者に託すのは、彼らの思いや歴史、文化を託すようなものであって、それに応えていく責任があると思うからです。少しでも彼らの生活を支えるという責任もあります。

これをビジネスだからともっとドライに考える方法もあると思うのですが、もうそんな時代はとっくに終わっていて、消費者の皆さんはその商品が自分の手元に届くまでのストーリーや生産者と僕の関係を信頼して、購入してくれていると思うのです。次から次へとオイルを乗り換えていくのは、僕的にはできないと思う訳です。

自分もオイルのことを一生懸命勉強して、生産者と真摯に向き合い信頼関係をコツコツと築けていけば、今よりももっと品質を上げて魅力的なオイルを作ることことが出来ると思いますし、その思いはきっとうちのお客さんに伝わると思うのです。

うちのような小さい会社は、生産者と一体となって作り上げていくことこそが、大切かなと思っています。

オリーブオイル市場
松村成師
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by primolio | 2017-11-30 16:28 | Lavoro 仕事
2017年 11月 25日

オリーブオイルを仕事にする①「アウトプット」

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オリーブオイル市場の松村です。

今後オリーブオイル業界の本質的な発展のために、僕の経験をアウトプットしていこうと思っています。

鑑定士さんやソムリエさん向けというよりも、輸入や小売などの流通サイドの現場レベルの話です。うちのような高品質オイルを取り扱っている小さな輸入社や小売店、オリーブオイル流通関係者のヒントになればと思っています。

書こうと思ったきっかけは、10月に大阪で開催された「オリーブオイル関西2017」という国際商談会への出展でした。国内のインポーターや世界中からオリーブオイル生産者が集まる商談会です。

その会場で「インポーター目線の高品質オリーブオイルの選び方と、生産者との共生」というテーマで、プレゼンする機会を頂いたのですが、その後の反響がとても大きかったのです。会場でも沢山ご質問を頂きましたが、メールでも問い合わせを頂きました。全員、オイル業界の流通のプロの方々です。

そこで気付いたことがありました。
実はこの業界には、オリーブオイルを取り巻く状況をトータルで把握している人が非常に少ないのではと。

生産現場の実情から、取扱うべきオイルの選び方、生産者とインポーターの適切なマッチングの仕方、輸入や国内流通の仕組み、販売価格の設定の仕方、品質別価格別の販売ターゲットの設定、お客様のオイルに対する不安や痛みの把握などなど、オリーブオイルビジネスに関する見本や指標がないので、皆さん手探りの状態の方がとても多いと。

多くの企業や個人が、新規参入してもわずか数年で撤退する理由も、ここにあると感じています。


そんな中で、ひょっとすると僕の経験は、この業界の本質的な発展のお役に立てるかもと思うようになりました。

そして、先日この業界を良く知る方から「松村さんの経験は、この業界の多くの方が必要としていますよ」と言われ、ちょっと勇気が必要でしたが、アウトプットしていくことを決めました。

僕のやってきた方法が、正しいかどうかはわかりません。あくまでも僕の経験と考えです。

高品質オイルを取り扱っていても苦戦している同業の仲間や日本全国で広がっているオリーブ生産で今後販売を考えている方々など、本気でオリーブオイル産業と向き合っている方の何かヒントになればと思っています。

僕がこの地方都市の札幌でたったの8年ですが、パトロンも他の収入もなくオリーブオイルだけを生業としてやってきた経験を綴っていこうと思います。

初回は、「オリーブオイル業界の本質的な発展とは」について書こうと思っています。

オリーブオイル市場
松村成師

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by primolio | 2017-11-25 13:59 | Lavoro 仕事